緊張する私をよそに、アツキ先輩は机の上に紙を置いて、メロディーに乗せながら歌詞を読み上げ始める。



「ひぇええ……」



人前で自作の歌詞を読みあげられるなんて、顔から火が出てしまいそうだった。



アツキ先輩の透明な声が、メロディーに乗っかって流れる。

書けないかもと言っていたラブソングを一気に書き上げてしまった私は、なんだかむずがゆくて下を向いて突っ伏した。



Aメロ、Bメロ、次々と言葉が聞こえてきて、あっという間に全て歌いあげられてしまう。