「二年D組、曽根崎望。音楽コース選択。
『ブラックコーヒー』の歌を全部作曲してる子だよ。あ、『ブラックコーヒー』ってのはショウくんたちのバンドね。
いい人だけど、彼女がいるとかは聞いたことないな。顔は中の上。血液型は知らん。
誕生日は十二月だと思う。去年のクリスマスライブでお祝いされてたから。担当はベースね。
アヤ様の男子情報網、すごいでしょ?」
アヤは背筋をぴんと伸ばし、両手を腰に当てると、どうだ! と言わんばかりに私を見下ろした。
思わず拍手をしてしまう。
男の子の情報を日々収集しているアヤだが、ノゾムくんとやらは彼女の恋愛対象には入っていない様子だった。
確かに、派手で目立つアヤと、『普通ないい人』くんはとても合いそうもない。

