紙とペン、それから音楽プレイヤーを手にリビングを飛び出して、階段をかけ上がった。
西にあるおじいちゃんの音楽部屋へと飛び込む。
丁寧に飾られた数本のベースを見上げ、音楽プレーヤーを再生した。
『平さんが感じた気持ちを、歌詞にこめてみたらいいんじゃない?』
梅田先生の言葉を思い出す。
私は床に突っ伏せて、硬いフローリングに紙を敷いて歌詞を書き殴った。
その晩おじいちゃんのベースを触ってみたけど、ビロンと情けない音が鳴っただけだった。
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