脇にあったパイプ椅子を開いて、そこに腰をかける。
ノートとペンを取り出そうとしたその時、カバンがどこにもないことに気がついた。
「あれ? カバン……」
「なあ。平さん」
聞きなれない低い声に驚き、顔を上げる。
ショウくんの声だった。
ショウくんがスマホをかちかちと弄りながら、ぼそりと呟く。
「ナオからライン来て、平さんカバン忘れて帰ってるから家に届けたって」
「えええ!? 本当!? ごめんねぇ!」
ショウくんとお話するのなんて二回目なのに、カバンを忘れた連絡だなんて申し訳なさ過ぎて、穴があったら入りたくなる。
この前と同じようにアイトくんは泣きそうなほどに爆笑していて、ノゾムくんとアツキ先輩も声を出して笑っていた。

