「えっと、礼が私の耳元で“好きだよ”ってささやいてくれたら、赤くなると思うよ」



はぁ……っ!?


それ絶対、僕が恥ずかしくて出来ないこと知ってて言ってるよね?

あ、でもここで言ったら僕の勝ちなのでは。



「そういえば、礼はどうしたら赤面するの?」

「僕は……、文乃と同じかな」


それ以外にもまあ、いろいろあると思うけど。



「そっかー。じゃあ、不意打ちでいきます」

「えっ?」


意味深なセリフを言った文乃が、そっと僕に近づいた。