「Wドッキリ大成功ーってね」

 ジュリエラレッタの言っている意味を理解し、ロミオンは顔を青ざめさせる。

「そうそうWドッキリっていうのは、私じゃなくてミヨ子が棺の中にいたってのと、実はこっそり撮影してたってことね。あ、ちなみにLIVE配信中だから。画面に向かってピースピース!」

 ジュリエラレッタは心底楽しげにカメラに向かって人差し指と中指を立てる。

「LIVE映像ってことは……」

「ザッツライッ! 実はこの全ての会話、ギャビュレッド領にもモンタキュー領にも今この時この瞬間、流れ続けているのでしたー!」

 ジュリエラレッタはニコニコと笑いながら、残酷な真実を告げる。
 対してロミオンは自失呆然とすることしか出来なかった。

 金髪碧眼美男子の若々しかった雰囲気は今やもう見る影もない。


(モンタキュー領の女の子たち全員にバレてしまったのか……エリカにマイラにモリ子たちにも……。一体これから僕はどこで女の子と触れ合えばいいんだ!)


 反省すらしていないロミオンの傍らで、ジュリエラレッタは撮影スタッフたちと話を交わしている。

 カメラを持った男は首にかけたタオルで汗を拭きながら、涼やかな笑顔で白い歯を見せた。

「いやー、今日はいい映像が撮れましたよ! これなら視聴率も90%はとれてるはずです! 本当にありがとうございます、ジュリエラレッタ様!」

「いいえ、こちらこそお礼が言いたいわ。……ロミオンの醜悪な女好きを一緒になって暴いてくれて。どうもありがとう」

「そんな、畏まらないでください。番組にはきちんとジュリエラレッタ様プロデュースと載せておきますね。……っと、俺たちはそろそろ撤収して視聴率確認するぞ! ゴーゴーゴー!」


 そう言って、カメラとマイクをそれぞれ持った男たちは去っていく。
 ミヨ子は一度もロミオンを見ることなく、二人の男の後を追った。