「き、君と僕は…………しそ……あいの仲だったじゃないか」
「……ん?声が小さくてよく聞こえなかったので、もう一度お願いします」
「だっ、だから……そう…………うあ……の仲だったじゃないかって」
「だから聞こえないって。男なんだからもっと腹から声を出しやがれ」
ジュリエラレッタは無表情で淡々と言葉を紡ぐ。
「き、君と僕は相思相愛の仲だったじゃないか!って………………あ」
「はい、自滅ご苦労様でした」
ジュリエラレッタはにっこりと笑う。
そう、この言葉を待っていたのだ。
ミヨ子に対し愛の言葉を囁いたという証言の後、ジュリエラレッタに対し男女の関係にあったのだとロミオン自身の口から言質を取る。
これは必要なことだった。
「なんとなく誤魔化そうと頑張っていたみたいだけど、そうもいかないよねー」
「そ、それは……」
「ねえ、あのさ。最近、私の中であんたのことなんて呼んでるから知ってる? ──妖怪下半身。こう呼ぶのがマイブームなの」
「ぐっ」
ロミオンは顔をしかめる。
「私たちだけじゃなく、領地の女の子たちにまで手をつけて…………なにが次期当主さまよ」
「うっ」
「あんたってもしかして、下半身から生まれてきたんじゃないの? あー、いやいや汚らわしい!」
ジュリエラレッタは眉をしかめ、気分が悪そうにベーっと舌を出した。
「それじゃ、計画通りに。……はーいカメラさーん、音声さーんを出てきてー」
「は、はい?」
二度目のジュリエラレッタの叫び声に呆然とするロミオン。
物陰からのそのそと出てくる人間が二人。
