旅立ち

「うわあ! うわあ!」

そんな声が、テルの意識を呼び戻したのは、日が昇って何時間か経った頃のことだった。何事だろう。新種の生き物でも見つかったのだろうか。噂じゃ、最近は、報告例が増えているらしい。どういうことだ。開拓のスピードが速まってきているのだろうか。

そういえば――――この前は、翼がはえた猫顔の馬だったか。新聞でみたような。
テルはぼんやりした頭で考える。
――しかし、どうやら違うと気付いたのは、次に聞こえた台詞でだった。
「肌綺麗だあ……まっ白だ。彫刻みたい……もし、これで髪が乳白色で、裸でタオルとか持ってたら、像に紛れても……」

うっすら目を開く。
しまった、寝ていたら、面が外れていた。

「お、うわあ!!」
飛び起きる。
キギがすごく目の前でぱちくりとこちらを観察していた。
どうやら自分は、キギを寝かせた後、ベッドのすぐ下で寝てしまったらしい。