――――静まりだした町で、キギとテルの二人が、店の壁に寄りかかるようにして一人を眺めることになった。
あれ、ご飯は?
などと、キギがいちいち聞かないのは、そこまで空腹を感じていないからというのもある。
「……それ、適当に、おいといて、飯に」
ぼんやりしていると、いい加減に焦れたのか、テルがぼやくように切り出した。それ、は台車のこと。
寒くなったのか、既にもう一度マントを身に纏っている。
「出来るか。まずこれをどこかにおさめないと……落とし物は落とした方が悪いって世界だぞ」
ソノさんがやや疲れぎみに言った。



