旅立ち

どこか、ファンシーというか、まじないか何かがあっても違和感無しというか。なんだろう。
そそられるような、それがまたなんだか危ない魅力というか。
確実に、ほとんどの幼いこどもが夜にこの建物に目を合わせない感じがする。

「テルがやってる面屋だよ。ちょっと変なやつだが、手先は器用なんだ」

ドアの前に立つソノさんが、振り向いて呟いた。
どこか、ファンシーというか、まじないか何かがあっても違和感無しというか。なんだろう。
そそられるような、それがまたなんだか危ない魅力というか。
確実に、ほとんどの幼いこどもが夜にこの建物に目を合わせない感じがする。

「テルがやってる面屋だよ。ちょっと変なやつだが、手先は器用なんだ」

ドアの前に立つソノさんが、振り向いて呟いた。

ちなみにドアは紫ではなく、茶色だ。
ドアノブに、何かストラップがくくりつけてある。
……狸?

「……えーっと、どうして、ここに」

「お前のも、選んでやるんだよ」

「ありがたいですが……お金が」


「俺が出すさ。ここから先は、顔を隠した方がいいからな」

「……はあ」

よくわからないが、中には興味がある。

窓から見える飾りだけ見れば、面がだんだんと舌を出していく様子の5枚セット。目がキョロキョロするもの。不気味に何かしゃべる顔。ただの可愛いくまさんの面。


……うーん。
夢で大集合して出てきそう。