早いな、と小さく、考えるように言うと、テルは身をきっちりと起こす。
「……おじさま、私たちがお連しますので、と申し上げませんでした?」
そう、半ばぼやくように言いながら、台車から降りていった。
なんとなく、少し高さがあるので飛び降りるのかと思っていたが、ゆっくりと足を伸ばして降りていた。なるほど。自分の品と、相手の品の差は明らからしい。
それを見てか、ある程度近づいてから、集団の動きが止まった。
(ちなみに、先頭の小さめな馬車以外、歩いてきていた)
ここは、道自体が狭いため、あまり大きな乗り物では、コツ無しで進めないのだ。足元も舗装されているわけではない。
馬車の窓からまっすぐにこちらを見据えている先頭の人物が、にやりと口を開いた。
ちなみに、この方々は、面をつけていない。どこかの制服なのか、紺色のきちっとしたボタンのある服を着ている。
「それは聞いていたが、遅かったのでなあ?」
おじさま、というのは、ちょび髭、八と二に左右で分けた髪型のグレーがかった茶髪男だった。
体格は品が良さそうに、スラッとしていて、わー、足の長さで負けたっ……と、キギは軽いショックを受けていた。
そして、誰かわからない人が増えていくことに、笑うしかないのかと考える。
ぶっちゃけた話、キギはおばさんのことさえも、よくわかっていない。
あの人も、常に、どこかに(町ではあると思うが)出ている人なのだ。
「少し、不馴れな道なので」
テルは平然を装うみたいな声音で言いながら、懐に手を入れている。物騒なものを仕込んでいるのだろうか。
「……おじさま、私たちがお連しますので、と申し上げませんでした?」
そう、半ばぼやくように言いながら、台車から降りていった。
なんとなく、少し高さがあるので飛び降りるのかと思っていたが、ゆっくりと足を伸ばして降りていた。なるほど。自分の品と、相手の品の差は明らからしい。
それを見てか、ある程度近づいてから、集団の動きが止まった。
(ちなみに、先頭の小さめな馬車以外、歩いてきていた)
ここは、道自体が狭いため、あまり大きな乗り物では、コツ無しで進めないのだ。足元も舗装されているわけではない。
馬車の窓からまっすぐにこちらを見据えている先頭の人物が、にやりと口を開いた。
ちなみに、この方々は、面をつけていない。どこかの制服なのか、紺色のきちっとしたボタンのある服を着ている。
「それは聞いていたが、遅かったのでなあ?」
おじさま、というのは、ちょび髭、八と二に左右で分けた髪型のグレーがかった茶髪男だった。
体格は品が良さそうに、スラッとしていて、わー、足の長さで負けたっ……と、キギは軽いショックを受けていた。
そして、誰かわからない人が増えていくことに、笑うしかないのかと考える。
ぶっちゃけた話、キギはおばさんのことさえも、よくわかっていない。
あの人も、常に、どこかに(町ではあると思うが)出ている人なのだ。
「少し、不馴れな道なので」
テルは平然を装うみたいな声音で言いながら、懐に手を入れている。物騒なものを仕込んでいるのだろうか。



