――あれ?
自分に跳ね返って響く言葉だと、キギは、今更のように悟った。
「どういうことなんだ!」
興奮して呼吸困難になりそうだったキギが落ち着くと(袋がないからと、隣の人物が、マントを渡してくれたりした)
赤い果物をかじりながら、隣の人物が、ようやく、簡単に話をしてくれた。
キギは、果物をかじりながら聞いていた。
「……リンゴかと思ったけれど、どちらかというと、無花果(イチジク)に近い味だ」
なんだろうこれ。
水分が多いぞ。
すごくおいしい。
自業自得で酸味が染みるけど。
うっかり口から出てこないように、しっかり飲み込んでから、先ほど聞いた内容のおさらいで口を開く。
「……ひとつめー、ずいぶん昔に、本当の母さんに婚約が決められていたー」
淡々とふざけて喋るキギに、隣の人物が頷いた。
「そうだ」
「ふったつめー。えっと、その母さんが事情があって、私をその日まで、安全に保管すべく、遠くの町の、人気のない場所、つまりここに送っていたと」
自分に跳ね返って響く言葉だと、キギは、今更のように悟った。
「どういうことなんだ!」
興奮して呼吸困難になりそうだったキギが落ち着くと(袋がないからと、隣の人物が、マントを渡してくれたりした)
赤い果物をかじりながら、隣の人物が、ようやく、簡単に話をしてくれた。
キギは、果物をかじりながら聞いていた。
「……リンゴかと思ったけれど、どちらかというと、無花果(イチジク)に近い味だ」
なんだろうこれ。
水分が多いぞ。
すごくおいしい。
自業自得で酸味が染みるけど。
うっかり口から出てこないように、しっかり飲み込んでから、先ほど聞いた内容のおさらいで口を開く。
「……ひとつめー、ずいぶん昔に、本当の母さんに婚約が決められていたー」
淡々とふざけて喋るキギに、隣の人物が頷いた。
「そうだ」
「ふったつめー。えっと、その母さんが事情があって、私をその日まで、安全に保管すべく、遠くの町の、人気のない場所、つまりここに送っていたと」



