「そんな、姿を……」
少年とも少女ともとれる震えた声が続いた。どうやら、隣にいる人物はそうとう笑いやすいらしい。
顔は見えないが……いよいよ、性別が予想できない。
「なっ……昔の話だ! おっ、お前は、まさか、あの黒髪のリクロか!」
しばらく突っ立っているだけだった男の方が、想定した感じの、いかにもなおじさん声でのけぞらんばかりに叫んだ。
「よっ! 久しぶりだな。これ染めたんだ~。にあう?」
リキュが男にふらふら近づいていく。似合わん、と聞こえた。歩くたびに肩が左右に揺れていて、やっぱりチャラい……とキギは感じた。隣の人物は、立っているのがやっとというくらい、ヒイヒイ言っていた。
「まあまあ、では、やっと来たのね!」
斜め後ろの、家の戸が開いた。
スィロ母さんだ。
手には箱に入った小さな刀を持っている。
さっきまで何してたんだよ、と思ったが、これを探していたのだろうか。
「思っていたより、早かったのね。お疲れさま。引き渡すまで、丁重に保護していましたよ」
少年とも少女ともとれる震えた声が続いた。どうやら、隣にいる人物はそうとう笑いやすいらしい。
顔は見えないが……いよいよ、性別が予想できない。
「なっ……昔の話だ! おっ、お前は、まさか、あの黒髪のリクロか!」
しばらく突っ立っているだけだった男の方が、想定した感じの、いかにもなおじさん声でのけぞらんばかりに叫んだ。
「よっ! 久しぶりだな。これ染めたんだ~。にあう?」
リキュが男にふらふら近づいていく。似合わん、と聞こえた。歩くたびに肩が左右に揺れていて、やっぱりチャラい……とキギは感じた。隣の人物は、立っているのがやっとというくらい、ヒイヒイ言っていた。
「まあまあ、では、やっと来たのね!」
斜め後ろの、家の戸が開いた。
スィロ母さんだ。
手には箱に入った小さな刀を持っている。
さっきまで何してたんだよ、と思ったが、これを探していたのだろうか。
「思っていたより、早かったのね。お疲れさま。引き渡すまで、丁重に保護していましたよ」



