「あんな。小説に書いていいよ。まあ、大したことはしてないけど。」
「でも・・・。」
「小説に書くには、実体験に勝るものはないよ。それが、あんなの仕事だろ？」
「うん。」
「俺は、あんなの彼氏だから、これからも、小説を書く材料になるのは幸せなことだと思った。」
「ありがとう。」
ヤンキーくんは、優しい。

年始に、一緒に初詣に行った。
『ずっと、一緒にいれますように。』
とお願いした。

高校卒業後、私は大学に行きながら、小説を書いていた。だいぶ売れてきたため、小説家としてデビューした。
翼は、進学せず、工場で働きだした。大学に行くよう勧められていたが、興味なかったようだ。家を出てアパートで一人暮らしをしていた。
一生懸命働いていた。

20歳になり、私たちは、一緒に住むことにした。
「あんな、ずっと一緒にいよう。」
「うん。翼、大好き」