「だったらもっと女らしく振る舞え。ちょっとは桜井見習った方がいいぞ」

そう言われ、琴ちゃんを見る。

艶のあるロングヘア、ナチュラルメイクの美人さん。クールビューティで姉御肌。私の憧れだ。

それに比べて私は、童顔で子どもっぽくて、スタイルだってよくない。

可愛くなりたくて色々頑張ってはみるけど、制服すらうまく着こなせてない。


「お前、なんか桜井の隣にいると……」

「なによ?」


柳瀬は私と琴ちゃんを交互に見て、


「かすんで見えるぞ」

そう一言呟いた。