「……寒い」
六月といえど、雨に濡れた体は冷え切っている。
「何してんだよお前」
どれくらい経ったか分からないけれど、体育座りで顔をうずめてぼけっとしていたら、よく知る声が聞こえて顔を上げた。
「……柳瀬」
「お前、家追い出されたのか?」
目の前には傘をしっかりさした柳瀬がいて、いつもの口調で私をからかっている。
「もう、違うよ。鍵がなくて入れないの」
ただでさえ寒さで機嫌がよくないのに、柳瀬に憎まれ口をたたかれふてくされる。
「ほんとお前ってどうしようもないな」
柳瀬は傘をさしたまま呆れ顔で私を見下ろしている。
六月といえど、雨に濡れた体は冷え切っている。
「何してんだよお前」
どれくらい経ったか分からないけれど、体育座りで顔をうずめてぼけっとしていたら、よく知る声が聞こえて顔を上げた。
「……柳瀬」
「お前、家追い出されたのか?」
目の前には傘をしっかりさした柳瀬がいて、いつもの口調で私をからかっている。
「もう、違うよ。鍵がなくて入れないの」
ただでさえ寒さで機嫌がよくないのに、柳瀬に憎まれ口をたたかれふてくされる。
「ほんとお前ってどうしようもないな」
柳瀬は傘をさしたまま呆れ顔で私を見下ろしている。



