「カフェが満席だったから、先輩の家にお邪魔した」



「はあ?」

柳瀬は驚いた表情で、私の顔からしばらく目を離さなかった。


「……なに?」

「なにじゃねえよ。大丈夫だったか?あの胡散臭い詐欺師みたいな笑顔のやつに、なんもされなかったか?」

ちょっと突っ込みどころがあり過ぎて……


「もう柳瀬、何言ってんの?久野先輩は、柳瀬が思ってるような人じゃないよ」

柳瀬は大きくため息をついた。