「柳瀬は……」


どう思ってるって、別にどうも思ってない。

でも、“友達”で一括りにしてしまうには、なんか違う気もする。だからと言って、特別な感情があるわけでもないし。


「ただの幼なじみ、……ですかね?」

私はその言葉で誤魔化した。


「近くにいすぎて考えたこともなかったです」

「……うん。そっか」

先輩は静かに呟いた。

その後は特に会話をすることなく、暗くなった道を二人で歩いた。

なんとなく、いつもの先輩とは様子が違う気がして話しかけにくかったのもある。