この先もずっと、キミの隣で。

どうしよう。私、ドキドキしてる。

……なんだか先輩といると、自分が自分じゃないみたいだ。


「あーこの問題ね」

「そうです。公式が沢山ありすぎて、どれを使ったらいいのか分かりません」

胸のドキドキが止まらない。でも私は平静を装って、『集中、集中』と自分に言い聞かせた。


「これを解くにはコツがあってね。よく聞いててね」

「はい」

先輩は家庭教師みたいにスマートに勉強を教えてくれた。しかも分かりやすい。

お金を払ってでも先輩の授業を受けたいぐらいだ。