私は、五月の過ごしやすい初夏の季節に心が浮かれていた。

いや、浮かれているのは初夏だからという理由だけじゃない。


憧れの久野先輩と連絡先を交換することができたのだ。

先輩とは学年は違うけれど、昇降口や廊下、図書室で会うことが時々あって、そこから話が弾み、自然と連絡先を交換した。

他愛もないことを話せる仲になった。


しかし、そんな浮かれ気分のままではいられない。現実的な話をすると、中間テストが一週間後に迫っていた。