「ねえ柳瀬、なんでそんなこと言うの」

少し苛立ちがあった。だってひどいじゃない?久野先輩は、私を助けてくれた人だよ。


「だってなんか……」

「なによ?」



「笑顔が胡散臭い」

それだけ言い残すと、私を廊下に置き去りにして歩いて行ってしまった。


「はぁ?なによそれ」
 

私は常々、柳瀬に振り回されている。

「もう、……ほんと自分勝手なんだから」