「ほっといてよ。ほんっと失礼なんだから」

と言いつつ、髪型を少し変えたとか、リップの色を変えたとか、そういう小さな変化によく気づいてくれるので、そこは嬉しかったりする。


今日だって、いつもストレートの髪をゆるく巻いてきたのをちゃんと気づいてくれた。



「明日もこの時間に出てくるようだったら置いてくからな」

「どうぞどうぞ置いていってください。別に、柳瀬に迎えに来てなんて一言も言ってないから」

家が近いからなのか知らないけど、柳瀬は中学生の頃から毎朝私を迎えに来る。

だから登下校は大体いつも一緒だ。