「じゃあさ、僕と少し話さない?」


「いえ、結構です」

私は危機感を感じてベンチから立ち上がり、その場を離れようとした。

しかし男は、歩き出した私の右腕をしっかり掴んで離さない。


「なにするんですか!ちょっやめてください!離してください」

必死に抵抗するけれど、男の人の力には敵わない。


「いいじゃん、ちょっとくらい相手してくれたって。ヒマしてるんでしょ」

男は不敵な笑みを浮かべて、私を自分の方へ引き寄せようとした。