「柳瀬ごめん。私図書室で借りたい本があったんだ。だから、先帰ってて」

「お前、本なんて読むことあったっけ?」

「最近読むようになったんです」

「お前はもっと語彙力つけた方がいいしな。じゃあ、また明日な」

相変わらず一言多いけど、勘付かれなくて助かった。柳瀬は意外と勘が鋭いから。

自分のせいで私が嫌がらせを受けてるって知ったら、きっと柳瀬はすごく責任を感じると思う。

あんな感じだけど、意外と優しいところがあるからさ。


だから、心配をかけるようなことはできるだけしたくない。