「大事にする。誰よりも」

久野先輩からの二回目のハグ。全てを包み込むような優しいハグ。



「……久野先輩」



「俺と付き合ってください」


「もちろんです。久野先輩」

そうして私と先輩は、先輩と後輩の関係から、恋人同士になった。



久野先輩の夏休みは忙しそうだった。

部活もラストスパートで、空いた時間は受験勉強をして。

それなのに、私と会う時間もちゃんと作ってくれる。

時間がない日は近場の公園やカフェで会う。時間がとれる日は少し遠出する。

こんな感じで、久野先輩との日々はうまくいっている。

いや、うまくいくように先輩が努力してくれてるんだ。