「ありがとう」

先輩は爽やかに笑った。


「じゃあ行こっか」

「はい!」

人混みがすごくて何度かはぐれそうになったけれど、なんとか花火がよく見れそうな場所まで歩いてきた。


私たちは空いていた場所にシートを敷き、腰掛けた。

花火が始まるまでまだ時間があり、先輩からの提案で初めてのツーショットを撮った。



「はい、笑ってー」

先輩の方に少し寄り、顔を近づけた。緊張してぎこちない笑顔しか作れない。


シャッター音がした後、先輩が写真を確認している。

「うん。良く撮れてる、ほら」

そう言って、先輩は撮った写真を見せてくれた。