八月一日、花火大会。


「うん、やっぱり紺の浴衣にしてよかった」

新しい浴衣は私の気持ちを上げてくれるのにぴったりだった。

いつまでもモヤモヤした気持ちじゃいられない。

気持ちを切り替えて、私は地元の花火大会に向かった。


待ち合わせ場所に、久野先輩の姿を見つけた。

「久野先輩、浴衣、着てきてくれたんですね」

「うん。麦ちゃんも紺色の浴衣、よく似合ってるね」

「久野先輩の浴衣姿も素敵です」

間違ってない。私は、久野幸人先輩が好きなんだ。