いつの間にか期末テストが終わり、終業式も終わっていた。

放課後、私は窓に肘を置き、なにも考えずに校庭を眺めていた。


「……むぎ、麦!」

「……えっ?琴ちゃんどうした?」

掃除から帰ってきた琴ちゃんが私に話しかけていた。


「どうしたじゃないよ。何回も名前呼んだんだけど」

「あっ……ごめんね」

だめだ。最近、なんだか上の空だ。


「明日から夏休みだよ。そんな調子で大丈夫?」

明日から夏休みかぁ。柳瀬の姿を見ることすらできなくなるんだな。