急いで下まで降り、様子を見ると、意識はないけど、脈と呼吸はあった。
 すぐに救急車を呼んだ。
いろいろ聞かれたが、あったばかりの人で、さっぱりやからないまま、付き添っていた。

 幸い、落ちたところに木があり、引っかかり落ちたため、脳に異常はなく、右腕を骨折程度。意識が戻るのを待っていた。

「あ?ここは?」
「病院です。わかりますか?」
「あっ、さっき話してた子。俺、落ちたんだ。」
「木があり、大事には至らなかったようです。よかったです。島崎圭太さん。」
「なぜ、俺の名前?」
「救急隊の人が財布から免許証を見て、教えてくれました。」