「夕日がキレイだね。なんかあった?」
「そうですね。」
派遣切りの話、友達の残業、彼氏の浮気の話をした。
「あー、それは辛いね。
 泣かないの?」
「あっ、泣くとか忘れてました。」
「へー、人間って絶望すると泣かないんだ。」
「みんながそうかは知りませんけど。」

「私、帰ります。」
「えっ、行く当てがないんじゃ・・・」
私は立った。 
知らない男性も立とうとした瞬間からバランスを崩した。
とっさに手は出たが、捕まえられず、落ちた。