「何やってんの?」
誰かの声がした。

「何もしてません。」
「そうだね。何もしてないね。
 こわくないの?」
「昔からよく、ここにいたりするんで、こわくないです。」
「そうなんだ。」
タバコを吸いながら、声をかけてきたのは、イケメンのスラーッとした男性だった。
 
「そっち行くね。」
「あーはい。どうぞ。」
柵を乗り越えてきた。