クローバー


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私が今並ぶのは100m走にでる生徒の列。


あの後、如月兄弟のサンドウィッチになっていた私をたまたま通りかかった隆二さんが呼び出して助けてくれた。


『お前どこに行っても人気があるんだな』


『いや、あれは人気っていうか......』


玩具を取られたくない兄弟喧嘩に見えたような。そんな私に隆二さんは苦笑いを向けながら相変わらずだなと言っていた。それ絶対良い意味じゃないでしょ。


さっきの隆二さんとの会話を思い出している内に次で私の番というところまで来ていた。


「おい、お前走れんのかよ」


私に話かけてきたと思われる横の金髪。あれ、こいつどっかで?


じーっと見つめる。頭の中で思い浮かぶ人物を1人1人当てはめていく。金髪、口悪い、金髪、口悪い.......。


「なんだよそんなに見つめて。怒ったのかよ?」


怪訝そうにこちらを睨んでくる金髪。この目付き、この器の小さい感じ.......あっ!!


「火蓮の金髪野郎か!!」


「忘れてたのかよ?!」


「そんな事ないよー、アハハ。」


「めちゃくちゃ棒読みじゃねーか!!たく、あんだけ俺達に説教しといて忘れるか普通?しかもあれ、昨日だぞ?!」


キャンキャンうるさい。


「忘れたくらいでいちいちうるさいんだよこの金髪ザル」


小さい声で呟いたつもりだったんだが


「あ?!なんだとてめぇ!!!」


どうやら地獄耳も健在のようだ。


「うるさいなー、叫ばないでよ。ほら、もう始まるよ。」


サルが私の声で慌ててスタートラインに立つ。


「お前だけにはぜってぇー!!負けねぇ」


「それはこっちのセリフだよ。」


なんかこいつには負けたくない。