奏多のその瞳に、東雲が大きく目を見開き驚いたような表情をする。そして一瞬だけどこか切なそうな表情をした。
今…。
誰も喋らない。
誰も動かない。重い重い空気。
「…仲間を信じる事の出来ない奴に、ここを守る事は出来ない。」
そう言いながら、東雲は大切に宝物を触るように、佐々木を撫でた。
なんだよそれ、反吐がでる。
偽物の愛ほど、悲しいものはない。
そしてそれに気づけない東雲にも腹が立つ
「お前が、誰よりもに仲間を大切に思っている事は痛い程知ってる。分かってる。分かってるんだ!!でもっ、今の流星は周りの意見を聞かずにただ、独りよがりに佐々木を信じているだけだ。流星…、俺もお前の仲間じゃないのか…?」
「っっ!どうしてだ?どうして分かってくれないんだっ?!俺は、お前にただ認めて欲しかっただけなんだ。大切な仲間のお前に…。ただそれだけで…。独りよがりなんて、そんなはずない!」
見つめ会う2人。
誰も喋らない。
誰も動かない。
