「今日から皆さんのクラスメイトになる西
宮文乃さんです。仲良くするように。」

眼鏡をかけ、真面目そうな雰囲気を醸し出す男性。この不良校には似合わない先生だなー。と黒板の前に立ちながら考える。


クラス全体を見渡すと青、赤、金髪、緑。髪色は様々。耳にも穴が何個空いてるの?て感じの耳をした子達がごろごろいる。


あれが岡山だな。1番右の列の後ろから3番目。金髪に染めて、前の男子とバカ笑いしているチャラそうな奴。


「西宮さんは1番右の列の1番後ろです。」


私は、チラッと岡山を見ながら自分の席へと向かう。一瞬、制服の隙間から見えた首元のタトゥー。形さえはっきり見えなかったものの、なぜか違和感が残る。


私の前の席は空いており、そのおかげで岡山の後ろ姿がよく見える。しかし、首元のタトゥーまでは見えない。


あのタトゥー。


この違和感。


似ている。


何かがおかしい。


首に下げてあるクローバーのネックレスを制服の上から握り

"どうか私の考えが当たりませんように"

そう祈った。