離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~

「遼介君、いらっしゃい。来ることは凛音に聞いていたよ」
「……お邪魔してます。剣持先生」

 久しぶりの夫と弟の対面にピリッとした空気を感じ、凛音は何とかその場をほぐそうとする。

「暁斗さん、早く帰れて良かったですね。今日は山海大学に行っていたんですよね」
「あぁ。山海でもウチと同型のアンギオの導入を検討しているらしく、現場で教授の相談にのって来た。久しぶりに会う同期もいたよ」
「そうなんですね。だったら、お食事にでもって話にならなかったんですか?」
「なったけど、断ったよ。君の作る飯の方良いからな」

 暁斗はそう言うと凛音の下ろした黒髪を撫でそのまま優しく肩に手を掛ける。

「……!」

 凛音はボフッと顔を赤くし、遼介は唖然として二人を見ている。

「あの、すぐ食事にしますか?」

 凛音が慌てて言うと暁斗は手に持った可愛らしいデザインの小さい手提げを凛音に手渡しながら言う。
「先に風呂に入る。その後食べるよ。これ、駅前で君の好きそうなプリンを買って来たから遼介君と食べたらいい」