暁斗は窓辺に立ち、教会の手入れされた庭を眺める。暖かい日差しが差し込んでいた。
「今日は晴れて良かったな。挙式日和だ」
「そうですね」
凛音も立ち上がって暁斗の隣に並んだ。緩く編み込んだ髪の中にブーケと合わせた白い生花が咲いている。
美しいその横顔を見ながら、以前美咲に服のブランドを教えて貰うために凛音の年齢と背格好と共に彼女のイメージを聞かれた事を思い出す。
――凛とした美しさと陽だまりのような優しさを持った可愛らしい女性。
たしか、そう答えた気がする。今横にいる妻はまさにそういう存在だった。
「姉さん、立ちっぱなしで大丈夫?」
チャペルの閉じたドアの前でウェディング姿の凛音は白いブーケを持ち、遼介と並んで入場を待つ。時間まであと少しあった。
横に立つ弟は身重の姉を気遣いながらも彼自身が少々緊張しているようにも見えた。
彼は現在も山海大学の医学部で医師になるための勉強に励んでいる。
来月には最終学年である6年生となり、卒業試験や来年の2月に控える医師国家試験に向けて更に忙しくなるだろう。
遼介なら大丈夫だ。いつか、九王総合病院で医師として暁斗と共に働く時が来るかもしれないと凛音は思っている。



