離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~

 その後の頼み事は父親学級に一緒に出て欲しいとか、ベビー用品を買いにつれて行って欲しいという、言われなくても進んでやろうと思っていた事ばかりだったのだが。

 医師であり、現場の第一線で活躍する暁斗の勤務は不規則になりがちだ。
 凛音にもさまざまな面で負担を掛けてしまっている。

 ただ、最近は、美咲が九王総合病院の心臓血管外科の主戦力として本格的に機能し始めたので、暁斗の働き方も以前よりゆとりあるものとなっている。

 凛音をと過ごす時間が増えた。それ自体は大変喜ばしいのだが、彼女に寂しいと言われなくて寂しいと言う何とも言えない複雑な感情を暁斗は味わっている。

 凛音と美咲は仲良くしているようで、たまに病院の内外でふたりで会っているようだ。

 きっと昔から美咲が想いを寄せている福原の話をしているのだろう。
 面倒な事には首を突っ込まない方がいいのにと言ったら、凛音は『恋バナ』が出来るのが楽しいと言う。そういう感覚は暁斗には分からない。

(そもそも俺が仲を取り持つ必要なんて無かったはずだ。福原先生も、いい加減腹を括ればいいものを)

 福原が美咲の想いに当初から気付いているのも、想い続けられる内に絆されている事も暁斗はわかっている。周りが振り回されるので、さっさとくっ付いて身を固めて欲しい。