離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~

「君は、どんどん可愛く魅力的になっていくな。夫としてはこの先少々心配だ」
「……」
「俺は、思った事を我慢しないで口に出しているだけだが?」

 恥ずかしさに黙って赤くなっている凛音に暁斗は真顔で告げた。

 暁斗と美咲の仲を誤解していた凛音は、妊娠がわかった時、そのことを告げずに離婚し、暁斗の元から去ろうと考えていたらしい。

 その話を聞いた時、暁斗は心底ゾッとした。やはり凛音は大人しい顔をして、変に思い切りがいいところがある。黙って行動に移される前に気付けて本当に良かった。

(もし逃げたとしても、どんな手を使ってでも探し出したけどな)

 暁斗も凛音の事になるといつもの冷静な判断力が鈍るらしく、彼女の悩みにも妊娠の事実にも気づく事が出来なかった。あれは男としても医者としても痛恨のミスだった。

 だから、お互い思った事を我慢しないで言おうと彼女に提案した。
 その結果、暁斗の口からは凛音を愛でる言葉が次々と出てくるのだ。
 彼女が照れて真っ赤になるのが可愛いからやめられないと言うのもある。

 その甲斐があったかのか分からないが、最近は凛音も少しずつ頼み事を言ってくれるようになった。
 最初はもっと家事を自分でやりたい、外出したいという事だった。
 心配しつつも、制限することで彼女がストレスを抱えるよりはいいと苦渋の判断をして、ある程度任せる事にした。