離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~

 ただならぬ暁斗の雰囲気に思わずゴクリと唾を飲み込む。

「立ち上がった瞬間という状況から、恐らく起立性低血圧、いわゆる立ち眩みだろう。しかし、最近の君を見ているとそれだけでは無い気がする。だから――徹底的に検査を受けて貰う」
「け、検査って……?」

 横たわっていた凛音は思わず上半身を起こす。暁斗は凛音の動きを助けながら続ける。

「今日の所は血液検査と、脳に異常がないかのCTだな。今なら時間がある。から俺がついて行く。病棟の方の検査室ならまだ動かせるし、技師もいるはずだ」

 動かせなくても無理やり動かすし、いなくても呼び出しそうな迫力のある低い声色だ。

「CT……」

 絶対にダメだと凛音は思った。医療従事者じゃ無くても妊婦にCTはNGなんて常識だ。

 通常レントゲンやCTは検査を受ける前に女性には妊娠しているか、もしくは可能性があるかにチェックする。そして、今の自分はその項目に思いっきり当てはまる状況なのだから。

「だ、大丈夫です!本当にただの立ち眩みですから。もう何ともありませんっ」

 今まで立ち眩みになった事は殆ど無かったので、もしかしたら妊娠している事が影響しているかもしれないけれど、と思いながら凛音ははっきりと断る。