離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~

「病室に呼び出して迫ってなんかいないからね」

 水上は苦笑してすぐに否定する。
 病院内の勉強会という名の合コンで知り合い、意気投合し交際にいたったらしい。そして彼の話から医事課の仕事の大変さを知り、事務職の大切さに気付いたと。

 あんなに事務職の事を悪く言ってたのに、彼氏にコロッと影響されちゃうなんてやっぱり現金だなぁと思いながら凛音は笑顔になる。

 水上のアイメイクは相変わらずバッチリだが、以前より目元が優しく見える気がする。彼との交際が順調で、きっと心が満たされているんだろう。

 やっぱり出会いは人を変えるんだ。いい方向にも悪い方向にも。
 彼女は良い人に巡り会ったんだと凛音は嬉しくなった。

(私も暁斗さんという一生に一度の出会いを大切に、彼への思いを胸にこれから生きていこう)

 清々しい気持ちで凛音は笑った。彼女とこうして話すことが出来て本当に良かった。

「彼と上手く行くといいですね」
「そうね、あなた達夫婦にあやかれるように頑張るわ。最近、あの剣持先生が奥さんの為に家に早く帰るようになったってみんな驚いているわよ」
「あはは……」