雨降り王子は、触りたい。




だけどやっぱり市川を見かけるとあの日のことを思い出すし。

『留衣が女の子と喋っててほんとびっくりしたんだよ〜。だから、絃ちゃんならできるかなって。』

私の頭の中には、その言葉がぐるぐる、渦巻いている。



そんな私の脳内を知るはずもないのえるが、今日はなんだか、ニタニタといやらしい笑顔をこちらに向けている。

なーんか、薄気味悪いな…

怪訝に思いながらも、ミートボールを頬張ると。



「ねぇ絃、三咲くんといつ付き合ったのぉ?」

「ぶほっっ」



口に入れたミートボールを、見事にリバースしてしまった。

吹き出たそれは、なんとかご飯が受け止めてくれたけれど。

…のえる今、なんて言った?