雨降り王子は、触りたい。




「出会った時は全然、留衣も女子と遊んだりしてたんだけど。急に、あーなってしまって。」

「そうなんだ…」

「俺、ほんと心配で」



市川の、三咲に負けないくらい長いまつ毛が影を落とす。



小学生の時、突然って。

なにかきっかけがあったのかな……。



足元では、雑草が風に泳がされている。

ふわり、触れたそれがこそばゆくて、曲げていた足を伸ばした、その時。



「絃ちゃん、アイツの体質なおしてやってくれない?」



────ギチッ。

ベンチが軋んだ音を立てる。

同時に聞こえた市川の声に、私は言葉を詰まらせた。