雨降り王子は、触りたい。




「絃ちゃん♪」



三咲の友達の、市川だ。

その立ち姿はゆるりとしていて、昼間同様色気を纏っている。



…っていうか"絃ちゃん"って。
今日初めて話したのに、なんか馴れ馴れしいな。



「……なに?」



市川は1人で、近くに三咲がいる様子もない。

私は思わず身構える。



「なーんか冷たいなぁ」



…なるほど。

さすが、女絡みの噂が絶えないだけあって、ノリが軽いというか、なんというか。

こういうチャラついた男子と話したことがないから、どう対処したらいいのかわからない。



「三咲の方が冷たいでしょ?」



そう言うと、市川はニコッと、笑みを浮かべた。