雨降り王子は、触りたい。




「………は?」



三咲の、焦ったような声がした。

泣いたのなんて、いつぶりだろう。
それも人前でなんて。



…だけど、私が泣いたって三咲を困らせるだけだ。

私はパパッと何もなかったかのように涙を手で拭った。



「……泣くなよ。別に、あんたは何も悪くないし。」



困ったように眉を下げる三咲の口調は、先程よりも優しくて。

あぁ、もう……

私の目には再び涙が滲む。



「昨日泣いてたのは…ちょうどここで……告白されて。」



三咲の声色は、やはりいつもとは違う。



「無理矢理手、握られた。あんたに会ったのはその帰り。だから昨日のは…あんたのせいじゃない。」



三咲が優しいと、余計に調子が狂う。
余計に胸が苦しくなる。

今だけはいつもみたいに、きつい言葉を浴びせられたって腹を立てたりしないのに。