昨日はぶつかったから涙が出て、今日は腕を掴んだから涙が出た…そういうこと、なのかな。
たしかに全部、私が三咲に触れてしまったことが原因だと言えるかもしれないけれど───。
信じがたい話に、私は難しい表情になる。
「女に触れたら、不可抗力で涙が出る。」
メガネを掛け直しながら口を開いた三咲の瞳には、涙が溜まっていて。
だけど、曇りひとつなかった。
レンズ越しでもわかるくらい澄んだ瞳が、"それ"が事実なんだと物語っている。
「そう…なんだ」
どう言葉を発すればいいのかわからなくて。
私はスカートをぎゅっと握った。
今まで何も知らずに、私は……
