雨降り王子は、触りたい。




「…こういうこと。」



三咲はそう言うと、ぐいっと、何も持っていない方の手で私の手首を掴んだ。

や、殺られる………!?

私は思わずギュッと目を瞑る。



──────しかし、一向に殴られる気配もないまま。

ただ無言の時間が流れる。

……あれ、殴られない?



私は恐る恐る目を開く。

するとそこに飛び込んできたのは────



「…えっ」



目に涙を溜めた、三咲だった。