雨降り王子は、触りたい。




三咲は意外と、いつも真っ直ぐに気持ちを伝えてくれる。

昼間だって────

『……別にそれで、問題ないけど』

それはつまり、私にだけ触れたらそれでいいってことで。



そういう甘い言葉をもらうたびに、私はふわふわ宙に浮いてしまう。

……だけど。
もらいっぱなしじゃ、ダメだと思う。



髪にはもらった、ヘアクリップ。

鞄にはお気に入りの、快晴レッド。

万全の体制だ。

私にも、できる……!



「ちょ、ちょっと、寄り道しよ」



私はそう言うと、三咲のシャツをクイッと引っ張った。