雨降り王子は、触りたい。




面倒くさそうにポケットに手を突っ込んだ三咲を、私は真っ直ぐに見る。



「なんで泣いたの?」



どくん、どくん。
心臓の音が響く。

時折昼休みの楽しそうな声が校舎から聞こえてくるけれど、まるで別の世界みたいにここの空気は重い。



「昨日も…気になってた。……なにがあったの?」

「あんたに関係ない」



突き放すような言い方。

だけど…



「私が原因のような気がするから。そうだとしたら、謝りたい。」



引き下がるわけにはいかない。

真剣な表情で目を逸らすことのない私を、三咲はジッと横目で見る。