雨降り王子は、触りたい。




ピクッと耳を反応させた三咲は、ようやくこちらを向いた。

怪訝な表情を浮かべる三咲の目からは、少し涙が引いている気がする。



「メガネ取って素顔を見てやる〜的な悪戯を計画してて…」

「…なにそれ。」



三咲はハッと呆れたような笑いを零す。



「………忠告どうも。」



冷え切った表情。
それでも泣き顔を見るよりは…マシだ。



ねぇ三咲、涙の理由は何?

今日も、昨日も。

手を掴んだのが、ぶつかってしまったのが、そんなに痛かった?

……違うよね?



「…ねぇ」



私は、再び去ろうとする三咲を呼び止めた。