雨降り王子は、触りたい。




あれよあれよという間に、三咲と2人きりになってしまった。

周りに人がいるとはいえ、緊張する。



ドキドキドキ。心臓の音、聞こえてないかな。

そんな心配をしてしまうような沈黙が流れる。

と、俯き気味だった三咲は顔を上げ、ベンチに腰を落とした。

私も恐る恐る、隣に腰掛けてみる。



だけどやっぱり、沈黙は続いて。

……三咲が2人にしてって言ったくせに。
なんで何も言わないんだろう?

無駄にドキドキして、しんどいんだけど。

静かな空気に耐えられなくなった私は、ぎこちなく口を開いた。



「……そういえばさ。私、三咲の体質が変わってしまった理由、萌絵ちゃんと市川から聞いた」



口から零れたのはまた、可愛げのない内容だった。